
皆さん、こんにちは!HORIです!
昨日はヘルパーさんとともに佐藤二郎主演の映画「名無し」を見てきたので、その感想を述べたいと思います。
物語の概要
物語の主人公・山田太郎(佐藤二郎)は右手に持った物を透明化するという特異な能力を持っていて、突如としてナイフを右手にファミレスで無差別に殺傷事件を起こすところから映画は始まっていきます。
そんな怪事件が発生したことを知った警察たちが動き出すのですが、物語の要所要所で山田太郎の過去が描かれていました。
元々は街の路地裏で偶然、警察官の照夫(丸山隆平)が右手をコードでがんじがらめに縛った少年を見つけ出します。
その少年を署で保護して色々と話を聞こうとするのですが、何を聞いても少年は何も答えません。
しかし、右手に触ろうとすると声を荒げて以上に嫌がります。
それ以外は何も喋らず、ひとまず家まで一緒に照夫が着いて行くと、トンネルに歩いていき、奥まで進むと少年と同い年ぐらいの少女がいました。
どうやら一緒にトンネル内に身を潜めているようですが、その子は特に血は繋がってないようでした。
そんな状況の2人を、照夫は児童養護施設に預け、戸籍をとるために少年を山田太郎、少女を山田花子の名付けました。
児童養護施設に預けた後も照夫は偏屈な自分の息子と合うだろうと思って、太郎と花子を一緒にテーマパークに連れ出すなどして、面倒を見続けていました。
2人はしばらく児童養護施設で暮らすこととなるのですが、そこでの暮らしで右手に関する事実が明かされます。
頑なに右手を隠していたのは、右手に触れた物は消えてしまうということと、命あるものに触れた時には命を奪ってしまうということでした。
また、触れたものの名前を知らなければその効果は発動せず、逆に名前を知っていたら効果は発動するということでした。
その特異な能力のせいで、意図せずとも施設内に暮らす犬と保護してくれた照夫を殺してしまいました。
というところで、太郎が別の場所で再び殺傷事件を起こす場面へと戻ります。
その間にも警察の捜査は進んでおり、ついには自宅を突き止めたのですが、自宅のバスタブには腐乱した遺体が、居間には腐った誕生日ケーキと赤ちゃんのおもちゃが転がっていました。
そんな自宅に警察官2名が待機して、現行犯逮捕を目論んだのですが、帰ってきた太郎に返り討ちに合い、1名が死亡、もう1名が生命の淵をさまようほどの重症を負ってしまいました…。
さらには、その際に警察官が持っていた拳銃を太郎が奪い去ってしまいます。
その後、再び回想シーンへと戻り、大人になった太郎と花子について描かれ始めます。
太郎はその後、花子とともに右手を使わない生活を送り続けていました。
決して裕福な暮らしではないものの、廃棄物処理の仕事で花子とお腹の子供のために働き続けました。
特異な能力を宿してしまった右手を背負った半生はとてつもなく壮絶で顔を引きつる癖がついてしまうほど、精神も心も病んでしまっていた太郎が笑うようになり、ようやく普通の人間らしさを取り戻していたように見えました。
しかし、予定日より少し前の日に突如として花子が身ごもったまま失踪してしまいます。
太郎はとてつもないショックを受けながらも、10年近くもの時を過ごしていました。
そんな中で、太郎が街中を歩いていた時に偶然に花子を見つけ出します。
10年振りに再会した花子から、子供は下ろしたと知らされました。
その理由は子供に太郎と同じ運命を背負わせたくないことと、もし産んでも名前を付けてしまったら自分の子供に触れられないという辛さを太郎に味わせたくないということが理由でした。
またもやとてつもないショックを受けた太郎は「もう誰かと繋がるのは諦める…」という言葉とともに花子を殺してしまいます。
そして、その足で冒頭のファミレスの事件へと繋がっていくのでした。
再び現在の時間軸へと戻り、今度は太郎が自身が育ってきた児童養護施設へと身を乗り出し、拳銃などを使いまたもや無差別に殺傷事件を起こします。
そこで太郎が過去の自分によく似た少年を見つけ出し、見つめ合っている隙に警察が取り押さえました。
太郎を取り押さえたのは、成長した照夫の息子(国枝)でした。
実は過去に太郎は空を描いてみようというお題で真っ黒に塗りつぶしていて、国枝も同じように真っ黒に塗りつぶしていたという共通項がありました。
国枝が取り押さえた際に太郎に、「お前にどんな過去があろうが知ったこっちゃない。お前はただのクズだ。お前の空はまだ黒いままか?」と話しかけます。
それに対して、太郎はニヤリと不敵な笑みを浮かべるだけでした。
この時、太郎も怪我を負っていたので、救急車で運ぶために乗せていた担架の上でしばらく待機していました。
国枝に話しかけられたあとは、先程の少年がまた太郎の前に現れます。
その少年を見て太郎は、「お前…9歳か…?やめろ…名前を言うな…」と話しかけます。
そう、この少年は花子が下ろしたと言っていたはずの太郎の子供だったのでした。
少年は無言で太郎の手を握ると、太郎は死に絶えました…。
というところで物語は終わりを迎えます。
映画を見た感想
こんな感じの内容だったので、一言でこうだと感想を述べるのは難しいと思います。
個人的に真っ先に感じたのは、太郎が救われて良かったということでした。
照夫と会うまでは壮絶な環境で生活をし、児童養護施設での生活でも意図せず生命を殺めてしまい、その後の花子との暮らしの中で人間らしさを取り戻しながらも再びどん底へと叩き落とされ、「もう誰かと繋がるのは諦める」と絶望して自分が死ぬために殺傷事件を起こしていた太郎が、照夫の息子と自身の子供を繋がることができ、生きるのが辛かった人生をようやく終わらせることができたので、その点でホッとしました。
また、国枝が太郎に対して、かわいそうだという感情を抱くことなく、平等に「クソだ」と言われたことが、1人の人間として扱ってもらえたという喜びがあったと思います。
だからこそ、太郎はニヤリと不敵な笑みを浮かべたのだと思います。
しかし、それまでに未来ある多くの人々の命が奪われたことを考えると、複雑な気持ちもありました。
また、死ぬことで救われたということに疑問を持つと思います。
しかし、そんな悲惨な状況でも人として人生を全うすべきというのは、あまりにもむごいことだと思うので、これで良かったのだと思います…。
辛い運命を無理に背負わずに生きるべきなのか、はたまた抱えながらも人生を全うすべきなのか、この答えは永遠に出ないものだと思います。
なんとも言えない気持ちにはなりましたが、佐藤二朗の怪演は素晴らしかったと思います。
映画の中ではほとんど喋らずに、顔の表情だけで演技していたのですが、言葉よりも感情が痛いほど伝わってきました。
世間一般ではコミカルな演技で有名な俳優というイメージですが、コミカルな演技は捨てて、シリアスな演技のみやっていてほしいと思いました。
コミカルな演技は佐藤二朗の良さを殺していると思います。
「さがす」「あんのこと」「爆弾」「名無し」と見てきてすっかり佐藤二朗のファンになってしまいました。
今後どんな作品でどんな演技を魅せてくれるのか楽しみです。
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