サンボマスター20周年記念アルバム「ラブ&ピース!マスターピース!」のレビュー

皆さん、こんにちは！ホリです！
今回は2023/11/15発売のサンボマスター結成20周年記念の10thアルバム「ラブ&ピース!マスターピース!」のレビューをさせて頂きました。よろしければ是非ご覧ください。
※11曲目と12曲目はTHE FIRST TAKEのものになりますので、ボーナストラックとしてみなしているので今回はレビューしません。

収録曲
1. Future is Yours
2. 輝きだして走ってく
3. ヒューマニティ!
4. できっこないをやらなくちゃ
5. 笑っておくれ
6. はじまっていくたかまっていく
7. 忘れないで忘れないで
8. その景色を
9. ボクだけのもの
10. 花束
11. できっこないをやらなくちゃ – From THE FIRST TAKE
12. Future is Yours – From THE FIRST TAKE

1曲目の「Future is Yours」と2曲目の「輝きだして走っていく」、7曲目の「忘れないで忘れないで」は往年のサンボマスターらしさを感じられるアップテンポな我々の背中を押してくれるロックな曲になっていますが、今までは愛する女性への想いを叫んだり、我々の背中をグングン押してきたりするような暑苦しい感じだったのですが、これらの曲ではマイルドになったように感じます。
だからと言って物足りない感じはなく、幅広い層にも彼らのカッコよさが刺さるような曲となっており、結成20周年の歴史と成長と円熟したサンボマスターを感じられました。

3曲目の「ヒューマニティ!」は今までのサンボマスターにはなかったレゲエの要素が加わった曲になっています。
また、今作ではいくつかの曲で様々なエフェクトが使用されていますが、この曲ではドラムにエフェクトがかかっていました。
ラヴィットの主題歌ということもあり、従来のアツいサンボマスターというよりはミドルテンポで温かみのある優しい曲に仕上がっています。
今まで温かい優しい曲となるとバラード曲であることがほとんどでしたが、この曲は珍しくミドルテンポの曲となっています。
年齢を重ねて良い意味でポップさ、柔らかい感じが楽曲にも表れていて変化を感じる1曲でした。

4曲目は再録音バージョンではありますが、まさかの14thシングルの「できっこないをやらなくちゃ」がアルバムで再集録されました。
普通同じ曲をまた収録するというのはしないので、とてもビックリしましたが、今のサンボマスターらしさを感じられるので全然入れても違和感がなかったです。

6曲目の「はじまっていくたかまっていく」と8曲目の「その景色を」はこれまたサンボマスターにはなかったラップの要素が加わっています。
特に8曲目に至っては、ラップの中でもAメロがフリースタイルっぽい感じになっていて、思わず作詞・作曲は誰がしたのか気になったのですが、どちらも山口隆でビックリしました。ロック・パンク・ポップス以外のジャンルも手掛けられるようになって進化を感じます。

9曲目の「ボクだけのもの」は今までのサンボマスターにはありそうでなかったバラードチックでハートフルな曲になっています。
サンボと言えばアツいギターサウンドと歌詞が特徴的ですが、歌い出しと合間はベースとドラムメインで「ラララ～」と歌っているのがすごく新鮮なアプローチでした。
また、合間のディレイがすごいギターサウンドがとても珍しかったですが、とても綺麗に思えました。

10曲目の「花束」は「MajiでKoiする5秒前」のような、アップテンポでリズミカルな跳ねるような思わず身体が踊り出してしまう曲となっています。
サンボらしいコーラスがありつつもベースの近藤とドラムの木内のアンサンブルコーラスもあってこれまた新鮮なアプローチでした。

～総評～
全体的には音がフラットで明瞭感があるように思えました。また、楽器が様々なエフェクトや演奏法を駆使してバラエティ豊かな印象でした。
そういった部分も含めて、再録音バージョンとは言え、昔の曲をまたアルバムに入れてしまうのが常識では考えられないすごい発想でビックリしましたし、結成20周年目にしてかなり挑戦的な内容になっていて、サンボ的には斬新なロックだけに縛られない曲が多かったですね～。
捨て曲は1曲もないと思える程良い内容でしたが、既にリリースした曲がほとんどなのでベストアルバム感が拭えない印象で、もう少し未発表曲も盛り込んであるとなお良かったと思いました。
これからのサンボマスターが更にどういった進化を遂げて、我々の元に音楽を届けてくれるのかが楽しみになりました！