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待望のスピッツ新作『ひみつスタジオ』は攻めの姿勢を忘れず、さまざまな魅力が詰まった一枚

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皆さん、こんにちは!ホリです!
今更ながらですが、今回は2023/5/17発売の
スピッツの17thアルバム「ひみつスタジオ」のレビューをさせて頂きました。よろしければ是非ご覧ください。

収録曲
1. i-O(修理のうた)
2. 跳べ
3. 大好物
4. 美しい鰭
5. さびしくなかった
6. オバケのロックバンド
7. 手鞠
8. 未来未来
9. 紫の夜を越えて
10. Sandie
11. ときめきpart1
12. 讃歌
13. めぐりめぐって

1曲目の「i-O(修理のうた)」は本作のジャケットに描かれているロボットの名前が「i-O」となっており、そのロボットに関する曲になっています。
スピッツの曲は「愛」や「生死」をテーマとするものがほとんどで、この曲も例外ではなく「愛」を表現した曲となっており、ロボットとそれを修理する人間との間の「愛」を描いています。
童話のような感じがしてとてもほっこりするミドルテンポの曲です!
スピッツらしいですね~。

2曲目の「跳べ」スピッツらしいアップテンポでハイスピードでパンクロックな曲です。
スピッツのアップテンポな曲=ロックな曲というイメージはありますが、この曲は今までの曲とは違ってよりパンクな感じが強まって洋楽的な厚みがあって骨太なギターサウンドが斬新です!
歌詞はコロナ禍という壁を越えられるように跳べというような我々の背中を押してくれる勇気づけてくれる内容になっています。
そうした内容を歌詞に盛り込むようになったのも新しいスピッツを感じられます!

3曲目の「大好物」は45thとなった配信限定のシングル曲で、レトロな雰囲気のエレクトリックピアノの音がずっとリフレインして流れて心地良く、かなりポップで柔らかい感じの曲になっています。
映画「昨日なに食べた?」の主題歌となったこともあり、歌詞はその内容に沿って「愛」を表現した曲となっています。
ちょっとの衝撃で壊れそうだった心を、氷のように頑なに閉じていた心を「君」と過ごしていく日常の中で安らいで温められて溶かされていく様を描いています。
とても心温まる曲ですね。

4曲目の「美しい鰭は46thシングルの曲です。ギターの音が明瞭感・浮遊感があってとても綺麗ホーンセクションの音が華やかな曲です。
往年のスピッツらしさを感じつつも、Aメロがとても複雑なリズムパターンだったり、歌詞が井上陽水のようにリズムに合うような聴き心地の良いワードを選定していたり、サビのファルセットがまた透明感があって綺麗だったりと挑戦的なスピッツも感じられます。
50代になってもなお綺麗な歌声が出るなんて草野正宗の喉は一体どうなっているんでしょうか…。
歌詞は我々に寄り添いながらそっと応援をしてくれるような内容になっています。
この曲はすごく気に入っていて、今年聴いた中で一番好きかもしれません。

6曲目の「さびしくなかった」は恐らく草野正宗がファンを「君」として書いたメッセージソングなのだと思いますロボットのi-Oと共に暮らす人間がロボットに向けた曲でもあるのかもしれません。
「『君』のおかげで1人でも孤独を感じることなく、生まれ変わることもできたよありがとう」と言っているかのような、そんな優しさを感じる一曲です。
サウンド的にもとてもポップで温かみのある丸みのある優しさを感じられます。

7曲目の「オバケのロックバンド」スピッツ初となるメンバー全員がボーカルを務める曲です!
メンバーが歌うパートの歌詞については、メンバーそれぞれのことを表したものになっています。

誰もが忘れてた 物置小屋の奥から
退屈な膜を破り 転がり出てきたオバケ
→ボーカル草野パート

木霊に育てられ 雷神にそそのかされ
ゴミ箱叩くビートに 役割見つけたオバケ
→ドラムの崎山パート

良かれと思っても ことごとく裏目に出て
爆音で踊ってたら ツノが生えてきたオバケ
→ベースの田村パート

暗闇に紛れて 冷たい旅路の果てに
壊れたギターを拾い 音楽に目覚めたオバケ
→ギターの三輪パート

草野正宗メンバーそれぞれのことを考えて特徴を歌詞に表しているのがメンバーへの「愛」を感じ取れますね。
そして、サビの歌詞は以下のようになっています。

子供のリアリティ 大人のファンタジー
オバケのままで奏で続ける
毒も癒しも真心込めて
君に聴かせるためだけに
君に聴かせるためだけに

子供のリアリティ 大人のファンタジーというのは、「子供のような心で真っ直ぐで純な心でということを示しているのだと思います。
大人にとってはそういうのはファンタジーと思ってしまうということで、「大人のファンタジー」としているのでしょう。
オバケのままで奏で続けるというのは、「オバケになるまですなわちいつまでもバンドを続けるということを言っているのだと思います。
毒も癒しも真心込めてというのは、「毒のある曲も癒されるような曲もしっかりと気持ちを込める」ということを言っているのだと思います。
ではそれを誰に届けるのか?それは最後の一節にもあるように、「君」すなわちファンのために、ファンに聴かせるために届けるのです!
草野正宗のメンバーへの愛とファンへの愛とユーモアを感じられる一曲です!

8曲目の「手鞠」アコギと明瞭感のあるエレキギターの音が特徴的です。サビのリズムが跳ねるような軽快な感じです。
歌詞はパッと見では「手鞠」は「君」と同一であることを示しているので、「恋愛ソングなのか?」と思ったのですが、恐らくコロナ禍である現在でも「まぁいいか」と思えるようになったといったことを示しているのではないかと僕は解釈します。
手に入るはずだった未来より 素朴な今にありついた
かなり思ってたんと違うけど 面白き今にありついた
という箇所はコロナ禍がない時に思い描いていた未来とは違う、素朴だけど面白いと思える未来が来た・ようやくそのように思えるようになれたということを示していて、
常識を保つ細いロープで身体のあちこち傷ついて
という箇所はコロナ禍によってできたルールすなわち常識を保とうとして病んでしまったことを示していて、
可愛いね手鞠 新しい世界 弾むように踊る 君を見てる
という箇所はコロナ禍から脱してできた新たな世界で弾むように踊ってはしゃぐ君を見て、かわいいねとかおかしいねとか思って共に笑っている人を示しているのではないかと思います。
これが正解かは分かりませんが、軽快な曲にここまで考えさせられる文学的な歌詞を乗せてくるのがさすがはスピッツと思います!

9曲目の「未来未来」は民謡っぽいコーラスやベースのリフ、合間でベースのリフがギターでも演奏されてユニゾンっぽくなるなど新しいスピッツが垣間見える曲となっています。
この曲の歌詞は恐らく現代のことを指した内容になっており、
安全に気配って慎重にふるまって
外は明るいの? 文明は続いてるの?
という箇所はコロナ禍で不要不急の外出を控えなくてはならなくなって家にずっと籠っていて、外がどうなっているのか全く分からない状態を示していて、
虐げられたって思い込んでたって
虐げていたのはこっちの方だなんてさ
という箇所はSNSでの炎上について示しているのではないかと思います。
「自分がこんな被害を受けた!」と投稿したつもりが、みんながそれを叩いていつの間にか相手を被害者にさせてしまったという事例がよくありますからね…。
遠くへ飛びたいとか希望し必死こいてた
足元を見ればほとんど同じ位置だ
この箇所はもっとあれこれ変わってほしいと思っていたら、実はそんなに変わっていなかったという状況が好転しない様子を示しているのだと思います。現代のコロナ禍なんかが特にそう感じると思います。
こじ開けて 未来未来
今だけで余裕などない 嫌い嫌い
お願いだからそばにいて 未来未来
誰も想像できない
広がるよ 未来未来
意志で切り拓いてみたい 時代時代
という箇所は未来に希望を感じておらず、自分でどうにか変えようにも変えられないもどかしさを示していますが、
影響与えようよ殻の外で
というフレーズで締めており、「それでもなんとかしようぜ」というメッセージを感じ取れます。スピッツなりの応援ソングとも捉えられそうですね。

10曲目の「紫の夜を越えて」は44th配信限定シングル曲で、イントロのスピッツの代名詞とも言えるギターのアルペジオが綺麗で、ドラムの抜けるような感じの音が気持ち良い曲です!
今の時代にすごく突き刺さる背中を押してくれるような優しさに溢れた歌詞になっています。
いつも寂しがり時に消えたがり
紫の夜を越えていこういくつもの光の粒
僕らも小さなひとつずつ
なぐさめで崩れるほどのギリギリをくぐり抜けて

一緒にいて欲しいありがちで特別な夜
紫の夜を越えていこう捨てた方がいいと言われた
モリーズ強く抱きしめて
従わず得られるならば砂の風に逆らい
再び生まれたいありがちで特別な夜
これらのフレーズにある通り、コロナ禍で孤独や不安を感じても、良くも悪くもあったあの頃の思い出を抱えながら以前は普通だったけど、今は特別に感じる夜(日常・ライブ)を過ごしていこうと優しく背中を押してくれます。
「紫」というのは孤独や不安、憤りなど様々な感情が混ざり切った様を表していて、そんな夜に煌めく小さな星たちを「いくつもの光の粒」「僕らも小さなひとつずつ」として自分たちのようだと例えているのが素敵ですね…。

11曲目の「Sandie」トランペットの音が華やかで演奏がとてもリズミカルで明るくポップな曲です。
歌詞は「君」を好きになって、新しい・違う世界が見えたといった内容です。42ndシングル曲の「優しいあの子」に似たような内容ですね~。
初めて君に出会った時から 僕の心は桃のようなカタチのまんまだよ
という箇所で「君」を好きになったことを表現しており、
抜け道はすぐそばにあるって教えてくれたっけ
違う世界を知ったから今日までも
違う世界があったから救われた
という箇所で「君」が教えてくれたことで、違うを知ることができて救われたということを示しています。
恋愛ソングとしても捉えられますし、草野正宗からファンに向けた言葉のようにも思えますね。

12曲目の「ときめきpart1」魔法のコトバのような感じのある、王道なギターソロが存在するまさしくスピッツらしい楽曲となっています。これは真っ直ぐな恋愛ソングのように思えます。
歌詞は臆病な様子が描かれているので、曲のタイトルにある「part1」というのは単純にpart2、3へと続いていく意味合いではなく、ときめきつまり恋が始まったばかりという意味合いでの言葉なんじゃないかと思います。
50代になってもこの曲のように初々しい感じを表現できるのも長年活動を続けてきたからこそですね!

13曲目の「讃歌」ミドルテンポでバラードチックな曲です。明瞭感のあるギターと透明感のある草野正宗の歌声と讃美歌的なコーラスがとても綺麗な曲です…。
この曲の歌詞は草野正宗がファンに向けて綴ったものだと思います。
鳥のように虫のように風を受けて時を紡ぐ
君のそばにいられるなら 強い雨も 砂嵐も汚れながら進んでいきたい
雪の中で熱の中で失わずに目を開いてる
君のそばにいられるなら
という箇所が特にそう表しているように思えます。どんなに逆境や辛い状況、コロナ禍であったとしても、「君」つまりファンがいてくれるなら、目を背けないで進んでいきたいと思えるということを言っているのだと思います。そうしてそれが「永遠だと」としているのだと思います。なんだか心強い曲に思えますね。

14曲目の「めぐりめぐって」アップテンポでオーバードライブ全開のギターが目立つ王道ロックな曲です。刻むようなギターソロが左右それぞれで聴こえて面白いですね!
最後には転調してテンポが遅くなってそのままエンディングへ…と思いきやまた元通りにアップテンポな曲調に戻ります。こういう遊び心が良いですね!
最期にはジャーンと一斉に演奏が止まって終わるので、きっちり終わったという感じがします。
この曲の歌詞も草野正宗がファンへ向けたメッセージソングになっているのだと思います。
違う時に違う街でそれぞれ生まれて
褒められてけなされて笑ったし泣いたし
たまには同じ星見上げたりしたかもね
そして今めぐり逢えた
この箇所ではバンドメンバーもファンのみんなもそれぞれ生まれも育ちも違うけれど、それでもこうして巡り逢って繋がることができたと表現していますね。
最後の最後までファンへのメッセージと想いが込められています!

~総評~
全体的には相変わらずなスピッツらしい感じでしたが、ところどころ新しさも感じられるようなアルバムでした。というかスピッツはいつも「らしさ」がありますよね…。
そしてコロナ禍という壁を乗り越えた上でファンへの優しいメッセージが沢山詰まった素敵なアルバムになっていると感じました。
30年もやっていると良くも悪くも様々なことがあったかと思いますが、それでもやっぱり結局はファンあってのバンドなのだということに行きついた感じがします。
彼らの音楽スタイルからすると永遠に続けられそうな感じがしますが、まだまだ攻めの姿勢も忘れていないのはさすがだと思いました。
これからどんな音楽を届けてくれるのか、まだまだ楽しみですね!

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